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IBM SPSSによるデータ分析、情報活用

セッションジャーナルの活用

SPSSの処理内容を自動的にシンタックスに記録するログファイル
SPSS Statisticsは簡単な操作性を持つ統計解析ソフトです。データの読込やデータ加工、基本的な分析や多変量解析などをGUIを使用して実行でき、複雑なコマンドやスクリプトを入力する必要がありません。しかし、画面上では簡単に見える処理も、実際はバックグラウンドでシンタックスと呼ばれるコマンドで実行されています。自動生成されるシンタックスは、各ダイアログボックスの貼り付けボタンを利用すると、シンタックスエディタに取り出すことができ、編集や実行を行うことができます。また、セッションジャーナルを使用すると、セッションで実行されるコマンドを自動的にファイルに記録することができます。
ジャーナルファイルには、SPSSで実行したコマンドやタイムスタンプが記録されるため、ログファイル(履歴)として用いることができます。ジャーナル記録は自由にオン/オフすることができ、ジャーナルに追加または上書きしたり、ジャーナルファイルの名前と場所を選択することもできます。シンタックスファイルを作成する場合に、1つ1つのダイアログボックスで貼り付けボタンを利用する手間を省く目的でも使用されます。セッションジャーナルの保存場所やファイル名、記録の有無は基本設定を行うオプション画面で設定することができます。

1セッションジャーナルの設定

「編集」>「オプション」>「ファイルの場所」タブ

セッションジャーナルの設定を確認する手順は以下の通りです。

ファイルの場所の設定

  1. 「編集」メニューの「オプション」を選択します
  2. 「ファイルの場所」タブを開きます

ジャーナルの追加または上書きの指定

  1. 「ジャーナルにシンタックスを記録」を選択します(デフォルトで有効)
  2. 「追加」または「上書き」を選択します
  3. 「ジャーナルファイル」の場所として保存先フォルダとファイル名を指定します

ジャーナルファイルの保存場所は任意ですが、そのフォルダに対する書き込み権限が必要です。ジャーナルファイルにはすべての操作が記録されるため、データ量が多い場合にはファイルサイズが大きくなることがあります。初期設定では追加になっていますので既存の内容に新しい処理内容が追加されていきます。上書きを選択すると、前回の記録が削除されて新しい処理内容が記録されます。

オプション設定の終了

  1. 「OK」ボタンをクリックしてオプションを閉じます

以上の設定で、指定したフォルダにジャーナルファイルの記録が開始されます。SPSSのログとして活用することができます。ファイルの拡張子は「.jnl」でありテキストエディタで開いて内容を閲覧・編集できます。

任意のシンタックスをコピーして、シンタックスエディタに貼り付ければ、同じ内容の処理を再現することが可能です。

例えば、前任者の引継ぎがないままに業務を引き継ぐ場合、セッションジャーナルを活用することで、過去の処理内容を確認することができます。また、ジャーナルファイルを開いて記録されたシンタックスやエラーメッセージを確認することで、処理の内容を把握することができます。
また、一連の処理内容をシンタックスに記録する作業を行う場合に、1つ1つに貼り付けボタンを使用するのではなく、ジャーナルファイルに記録するように設定しておいて操作を行うことで、シンタックスファイルを作成する手間を省くこと等の応用もあります。目的や使い方、用途に応じて、IBM SPSS製品を有効にご活用いただき、課題解決・価値創造にお役立てください。

参考文献

  1. IBM_SPSS_Statistics_Core_System_User_Guide.pdf
  2. IBM_SPSS_Statistics_Command_Syntax_Reference.pdf

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