データプロパティのコピーによる変数定義
SPSSデータファイルの作成
SPSSでは、変数の補足説明(変数ラベル)や値の意味づけ(値ラベル)、データ型や小数桁数、測定の尺度などの変数定義を、データファイルの変数ビューで細かく設定することができます。この設定はデータファイルごとに行う必要がありますが、アンケート調査などで共通する質問紙を使用する場合などは、変数定義が似通る場合も少なくありません。そのような場合は既存の変数定義を別のデータファイルにコピーすることが可能です。
変数定義はマウス操作による単純なコピーと貼り付けができますが、変数の数が多くなる場合などには作業量が増えます。そこで、データプロパティのコピー機能を使用すると、あるSPSSデータファイルの変数定義を別のファイルに一度にコピーすることができます。この機能は、変数定義のコピーのみを行うため、データのコピーは行いません。
1変数定義のコピー手順
データ > データプロパティのコピー
作業にあたっては、変数定義が完了しているSPSSデータファイル(.sav)と変数定義のコピー先のSPSSデータファイル(.sav)の2つが必要です。変数定義が完了しているデータファイルをアクティブにしてメニューを開きます。
データプロパティのコピー
- 「データ」>「データプロパティのコピー」メニューを選択します
データプロパティのコピー手順
- 変数定義を含むSPSSデータファイルを選択して「次へ」ボタンをクリックします
データプロパティのコピー手順
- コピー元変数とコピー先変数を指定して「次へ」ボタンをクリックします
変数定義をコピーしたい変数については変数名とデータ型が一致している必要があります。例えば、「性別」という同じ名前の変数でも一方が数値型でもう一方が文字型の場合はコピーできません。また、データ型が文字列の場合は文字幅(入力できる文字数の設定)も一致していなければなりません。
データプロパティのコピー手順
- コピーしたい定義情報を指定して「次へ」ボタンをクリックします
- コピーしたその他の変数情報を指定して「次へ」ボタンをクリックします
チェックを入れた変数定義のみがコピーされますので、不要なものは選択を外して進めます。
データプロパティのコピー手順
- 「完了」ボタンをクリックしてデータプロパティのコピーを完了します
このようにデータプロパティのコピーを使用すると、変数定義を別のデータファイルに簡単にコピーすることができます。ただし、変数の数が少ない場合は、単純なコピー&貼り付けの方が簡単で早いですし、はじめからSPSSにデータを入力する場合はほとんど用いられない機能ですので、作業目的や状況に応じてご活用ください。
この機能は、IBM SPSS Statisticsの基本機能Baseのみで実行することができます。また、別途シンタックスを利用して変数定義を行うとより効率的・汎用的にできる場合があります。目的や使い方、用途に応じて、IBM SPSS製品を有効にご活用いただき、課題解決・価値創造にお役立てください。
参考文献
- IBM SPSS Statistics Base
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