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IBM SPSSによるデータ分析、情報活用

多重クロス集計表の小計カテゴリの追加

SPSS Custom Tables オプションの集計機能
IBM SPSS Statisticsでは、データ分析でよく利用されるクロス集計の機能を持っていますが、Custom Tablesオプションを利用することで、複数の変数や多重回答(複数回答/MA)に基づいた多重クロス集計表を作成することができます。さらに、変数のネストや積み重ね合計や小計の追加カテゴリのグループ化などの柔軟な集計が可能です。
これらの機能によって特定の変数でサブグループに分割したり、多数の変数を並べた集計表を作成したりするより柔軟な集計に対応します。データセットにグループ化した変数を追加するのではなく、集計イメージを確認しながら小計を追加するなど、あくまでも集計表上の設定として利用することができます。

1作成する集計表のイメージ

SPSSの柔軟な集計機能

SPSSのカスタムテーブルでは、基本機能のBaseより柔軟で複雑な集計機能に対応します。例えば、以下のクロス集計表は行に2つの変数(婚姻状況と勤続期間の長短)を配置した多重クロス集計表です。

さらに、カテゴリのグループ化や小計の追加などが可能です。カテゴリのグループ化は「値の再割り当て」機能で実現できますが、変数の値そのものを置換してしまうのではなく、集計時にグループを指定する方法です。この集計表では、グループ化前の値(1~5)とグループ化後の値(1+2、4+5)の両方が表示されています。

このような任意のカテゴリをグループ化した小計カテゴリを含む集計表を作成するためには、カスタムテーブルのメニューを利用して以下のように設定を進めます。

2カスタムテーブルによる集計表の作成

カテゴリのグループ化による小計の追加

はじめに、カスタムテーブルのメニューを開いて、変数を配置します。なお、カスタムテーブルメニューはCustom Tablesライセンスが認証されていないと表示されません。

カスタムテーブルに使用する変数の指定

  1. 「分析」>「カスタムテーブル」>「カスタムテーブル」メニューを選択します
  2. 任意の変数を選択して「行」と「列」の領域にドラッグして指定します

カテゴリと合計の設定

  1. 列の変数を選択して「カテゴリと合計」ボタンをクリックします

この設定画面では、カテゴリの表示順番の修正や、合計や小計の追加、カテゴリの計算を追加することができます。この例では、「1 非常に不満」と「2 やや不満」の2つを合計する小計の式を追加する手順を確認します。

カテゴリのグループ化

  1. 「小計と計算対象カテゴリ」の「カテゴリを追加」ボタンをクリックします
  2. 「計算対象カテゴリのラベル」に任意の小計名として「1+2 不満層」と入力します
  3. 「カテゴリ」の一覧から「非常に不満(1)」を「計算対象カテゴリの式」に追加します
  4. 「演算子」から「+」ボタンをクリックします
  5. 「カテゴリ」の一覧から「やや不満(2)」を「計算対象カテゴリの式」に追加します

「1+2 不満層」の新カテゴリが追加されます。表示するカテゴリの順番は、カテゴリ値の一覧の右側に表示されているボタンを使用することで入替可能です。

設定の反映

  1. 「続行」ボタンをクリックします
  2. 「適用」ボタンをクリックします

同様の手順で「4+5 満足層」にも小計カテゴリを追加します。さらに、合計列の追加、要約統計量としてパーセンテージの出力や表示方向の変更などの設定を完了して実行し、フォントや背景色の指定などを行ったテーブルは以下のイメージです。

このようにカスタムテーブルの機能を使用すると、複数の変数を配置した多重クロス集計表を作成できるだけでなく、カテゴリのグループ化小計の追加などを集計機能として柔軟に設定することができます。なお、カスタムテーブルの設定はデータファイルに保存されませんので、シンタックスを併用すると便利に使えます。
カスタムテーブルの機能を持つCustom Tablesオプションは、SPSSのStandardPremiumなどのバンドルライセンスにも含まれています。分析メニューにテーブルメニューが表示されていれば使用可能ですので、目的や使い方、用途に応じて、IBM SPSS製品を有効にご活用いただき、課題解決・価値創造にお役立てください。

参考文献

  1. IBM_SPSS_Statistics_Base.pdf
  2. IBM_SPSS_Custom_Tables.pdf

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