IBM business Partner logo
分析支援サービス
IBM SPSSによるデータ分析、情報活用

One-way ANOVA

1元配置分散分析
2つ以上のグループ間の平均値の差を検定するための統計手法です。ANOVAは、各グループの平均値に差があるかどうかを確認するために使用され、変数間の関係性や要因の影響を調べる際に広く利用されています。
  • 分析手法の種類
  • 予測する
  • 要因を探る
  • 比較する
  • 分類する
  • 集計する
  • 可視化する
Application

1要因3水準以上の平均値の比較

分散分析(Analysis of variance, ANOVA)は、対応のないグループ間の平均値の差を検定するための分析手法で、質的独立変数(因子/要因)によって量的従属変数の平均値を比較します。例えば、どの治療法が病気の治療に効果があるかを調べたい場合、治療法によって検査値の平均値に差が認められるかを分析します。このとき、治療法がAとBの2種類であれば独立したサンプルのt検定によって検査値の平均値を比較することができますが、治療法が3種類以上の場合は分散分析を用います。

比較のための質的独立変数を因子要因といい、この要因の数が1つの場合は1元配置分散分析(One-way ANOVA)、要因の数が2つの場合は2元配置分散分析(Two-way ANOVA)と呼ばれます。1元配置分散分析では、1要因による効果(主効果)を分析します。 1元配置分散分析は、独立したサンプルのt検定と同じように、量的従属変数が正規分布にしたがう「正規性」と、各水準のばらつきが同程度である「等分散性」の仮定を持ち、これらを満たすことができない場合は別の検定手法を適用します。

正規性を満たさない場合は、ノンパラメトリックのクラスカル-ウォリス検定(Kruskal-Wallis test)を適用し、等分散性を満たさない場合はウェルチ検定(Welch test)がよく用いられます。

ただし、分散分析によって有意差が認められた場合は要因によって差があることを意味するのみであり、どの水準間に差があるかまでは分かりません。そこで、多重比較法(Multiple Comparison Procedure)を用いることで水準間の差を検定することができます。

Software

ソフトウェア

SPSSでは、基本機能のBaseのみで対応しています。Rでは、標準パッケージのstatsaov()関数を使って簡単に一元配置分散分析ができます。さらに、caragricolaeなどのパッケージを使うことで、より詳細な分析や多重比較検定も行えます。Pythonでは、scipyf_oneway()が基本的な一元配置分散分析のために利用されますが、statsmodelspingouinを使用することで、より高度なモデリングや結果の表示が可能です。

参考文献

  1. Fisher, R. A. (1925). Statistical Methods for Research Workers.
  2. Kruskal, W. H., & Wallis, W. A. (1952). Use of ranks in one-criterion variance analysis. Journal of the American Statistical Association, 47(260), 583-621.
  3. 東京大学教養学部統計学教室(1991),統計学入門 (基礎統計学Ⅰ),東京大学出版会
  4. 永田靖,吉田道弘(1997),統計的多重比較法の基礎,サイエンティスト社
  5. 大久保街亜,岡田謙介(2012),伝えるための心理統計: 効果量・信頼区間・検定力,勁草書房
  6. 対馬 栄輝(2018),SPSSで学ぶ医療系多変量データ解析,東京図書
  7. IBM_SPSS_Statistics_Base.pdf
  8. IBM_SPSS_Advanced_Statistics.pdf
PAGE TOP ↑